• ボイスドラマ「エール前編〜能登半島地震を忘れるな!」

  • Feb 9 2025
  • Length: 15 mins
  • Podcast

ボイスドラマ「エール前編〜能登半島地震を忘れるな!」

  • Summary

  • (CV:桑木栄美里)【ストーリー】■シーン1(朝)/自宅の朝■SE/朝の小鳥〜ゲームを止める音「おつかれ〜」「やばっ!朝じゃん」「そろそろ落ちま〜す」「んじゃよいお年を〜」チャットでフレンドと互いに労をねぎらう。大晦日だというのにゲームで徹夜してしまった。ま、いいや。寝正月寝正月。オンラインゲームのいいところは、感動や喜びをフレンドと共有できること。リアルで友だちのいない私は、ゲームの世界だけが交流の場になっている。まあ、その分こうやってだらだら会話しながら遊んじゃうんだけど・・・ゲームのフレンドは、リア友と違って気をつかわなくていいし、遠く離れていても同じ世界でリアルタイムに遊べるのが好き。私は年末から、海辺の町に住んでいるプレイヤーと仲良くなった。キャラ名はピリカ。ちなみに私はエイミ。2人とも高校2年生。ピリカは学校にはあんまり行ってないみたい。高山には海がないから、チャットで話してくれた漁師町の話、おもしろかった〜。私、勉強きらいだから学校行っても、休み時間はずっと寝てる。起きてるときも、ぼ〜っとしてるし。以前、生徒会役員にならないかって誘われたけど、冗談じゃない。相手を間違えてるんじゃないかしら。ひとと関わることって好きじゃないんだ。これからの人生、ずっと1人で楽しく生きていくからいいの・・・■シーン2/TVのニュース■SE/アナウンサーが画面から呼びかける(※宮ノ下編成部長)「高台や高いビルの上にただちに避難してください」「できるだけ海岸から遠いところへ逃げてください」元日の午後。緊急地震速報に続いてやってきた激しい揺れ。そのあと、信じられないようなニュースが、私の眠気を吹っ飛ばした。画面に映し出される、目を背けたくなるような惨状・・・何が起こってるのか、しばらくはまったくわからなかった。これは仮想空間の話?いや、違う。やがて、現実を理解した私はただ呆然とする。え?ちょっと待って。この場所・・・ピリカが住んでいる漁師町じゃない!?やだやだ。そんな、嘘でしょ。私は慌ててスマホを探す。だめだ。ピリカの連絡先なんて知らないし。そうだ、ゲーム。オンラインゲームのチャットだ。ゲームのチャットボックスを開く。だがもちろん、この状況のなかで、そんなところにピリカがいるはずがない。私は焦り、うろたえる。ピリカ、お願い。無事でいて。私はじっとしていられず、家を飛び出した。■シーン3/古い町並(静かなイメージ)から学校へ静まり返った、お正月の高山。観光客の姿もまばらだ。きっとみんな、ニュースを見ているのだろう。あてもなく彷徨いながら、気がつくと学校へ向かっていた。校門が開いている。校舎の1階に灯りがついている。あそこは・・・たしか、生徒会役員室。私は躊躇なく、扉を開く。机を挟んで向き合っている生徒会長と副会長。同時に私の方へ振り返った。学校へ来ているのね。元日なのに。”どうしたの?”と、驚きながら私に尋ねる。「えっと・・・あの・・・地震で友だちが」生徒会長たちは私を招き入れ、話し合っていたことを教えてくれた。それは自分たち、高山の高校生がいまできること。そうか。そうよね。生徒会も被災地の高校生たちと交流があったんだ。「今すぐ連絡をとりたい」「できないなら、助けにいきたい」「それも難しいなら、救援物資を届けたい」「義援金も送りたい」我を忘れて矢継ぎ早に問いかける私。生徒会長は冷静にわかりやすく説明してくれた。いまは現地の状況をメディアやネットから収集している。安否の確認は、信頼できる現地の自治体が発表するSNSを確認してから。無闇にチャットや電話で連絡をとると回線が集中して、よけいにつながりにくくなる。救援物資の持ち込みは、緊急車両の通行や救援物資を運ぶ物流の妨げになる。救援物資はまとめないと、仕分けの手間で被災地の負担が増える。義援金もバラバラと送るのではなく、地域でまとめてから送る。確かにそうだ。私、動転して、大変な状況の友だちに、より迷惑をかけるところだった。じゃあ、これから私ができることは?...
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